フリー翻訳者のjunjun。アメリカンな夫Pと2007年3月生まれの娘うたことの3人暮らしです。1年4ヶ月のシンガポール生活を経て、2010年2月にPの故郷マサチューセッツ州ケンブリッジに引っ越してきました。


by junjunH0101

逃げるが勝ち

最近堅い話題が続いていますが、全然堅い人間ではないjunjunです(笑)。

冷泉彰彦氏によるニューズウィーク日本版「プリンストン発 新潮流アメリカ」。いつもふむふむと読ませていただいているのですが、3月7日付けの記事「アメリカで「病児保育」が社会問題にならない理由とは?」は特に興味深い内容でした。

内容に完全に賛同。特に、病時保育の充実を後押しするだけではダメで抜本的な職場環境の改善を進めるべき、という点、本当にそうだと思います。

私は日本、シンガポール(1年4ヶ月なのでちょっとだけ)、アメリカの3カ国の状況しかわかりませんが、やはり環境がかなり違うと感じています。日本ではまだまだ「子どもの病気や学校行事”くらいで”休むな/休めない」という雰囲気がありますね。産休や育休だって制度で保障されていても「女性はこれだから困る」と言われます。アメリカの夫の会社では子どもの学校行事のために年2日(3日だったかも)休暇が取れるし、「今日は子どもが病気なので家で仕事をします」というのもOKです。また、子どもの病気など緊急の場合は会社がシッター代を負担してくれる制度もあります。(シンガポールは共働きの場合大抵住み込みメイドさんがいるので問題にならない)。

このことについてツイッターやFBで少々話し合ったところ、「ルール作りも大切だが、まずは意識改革から」という声が多く出ました。フルタイムで働いている友人(一児の母親)は「職場に迷惑かけないようにしようと考えてしまう自分たちの意識」について書いていました。周りに迷惑をかけないようにと配慮するのは日本人のすばらしい美点だと思いますが、それが行き過ぎて皆が苦しい状況でがんばらざると得ないという面もありますね。

昨日ちょうどアルジャーラの「Tendenko: Surviving the Tsunami」という番組を見たのですが、ここでも、日本人は助け合いの精神のために皆が逃げ遅れ、結果的に被害が拡大すると言っていたのが印象的でした。(この番組は音声は日本語が多いので、ぜひ見てみてください)。

ニュース等でご存知の方が多いと思いますが、釜石市では「地震のあとには津波が来るから、地震が来たらとにかくひとりで逃げろ」という「津波てんでんこ」の教育のため、小中学生のほとんどの命が助かりました。皆で一ヶ所に集まって待機していたために大勢が亡くなってしまった小学校とは対照的です。(こちらについてはBBCの「Japan's Children of the Tsunami」をご覧ください。子どもたちが語るあの日、そして今も続く不安な日々。よい番組です。)

日本はいろんな面で「逃げにくい」「逃げることが許されない」文化だと思います。会社で毎日深夜まで残業させられても会社を辞められない(逃げられない)、夫婦共働きで大変でもメイドサービスやベビーシッターなどに頼らず(逃げず)ふらふらになりながら自分たちで頑張る、などなど。

そういえば冷泉氏のひとつ前のコラム「アメリカの外食産業に過労死がない理由とは?」にも「現場の仕事は良くも悪くも腰掛けであり、フルタイム雇用者が管理職候補で将来の出世を人質にムリな働き方を強制されるということは絶無です」とありました。これは外食産業の話ですが、アメリカのほうが一般的に転職しやすい(=逃げやすい)と思います。もちろん今は景気が悪くて転職は難しいですが、社会の意識として「転職が受け入れられやすい」という意味です。

最初にご紹介した冷泉氏の記事で「夫婦ともにフルタイムの上級管理職で出張も多い、という状態を作り出すことは人生設計の上で避けるのが普通です」とありますが、これも転職、というか、キャリアの方向転換が認められやすいということが関係しているのでは、と思います。

近所に「パパ友」というか、専業パパの友人がいます。奥さんがフルタイムで出張も多い仕事なので、ふたりの子どもたちが小さいあいだはパパが家で家事と育児に専念することにしたのです。アメリカでもこういう例は少ないですが、日本と比べれば断然多いです。

制度やルールだけ考えれば、アメリカも決して進んでいる部分ばかりではありません。たとえば育児休暇は日本の大企業のほうが断然長く取れるし、保育料もとても高いです。でも職場の同僚や上司たち(そして親当人)の意識の違いが差を生み出していると感じます。

そういえば(さっきから「そういえば」ばかりですね、笑)、シンガポール在住時代に「我慢大会」というブログ記事書いてたのでした。日本の皆さん、我慢ばかりせずに自分が壊れるまえにさっさと逃げ出しましょう。そして逃げていく人を温かい目で見守ってあげましょう。

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by junjunh0101 | 2012-03-08 23:24 | ひとりごと